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素直じゃない契約

第11章 表と裏

「なんでっ…!?」

「理生が何をしでかすか分からんからなぁ。ま…ここは今は安全やしな。学校はこっちで何とかするから
安心しいや」

「そんなぁ…」


恭介はそう言って離れから出ていった。

しばらく立ちすくんでいたけど、
あたしは自室の部屋へ入り机の引き出しを開けた。


「恭介…」


沙羅の手にはハートの片方と鍵があった。


「この気持ちはどうすればいい…?」


握りしめて寝室へ向かった。


「確かここら辺にー…あった」


少し長めのネックレスチェーンを取り、
パーツの片方と鍵を通した。

小さめだし、服のなか入れとけばあまり目立たないよね…。


首にさげて、布団に寝転がった。

さっきのことを思い出してしまい自然と涙が出た。
自分がこんなに女々しいなんて…
こんなにも恭介のことが好きだったなんて…


「ふっうっ…」


声を殺して泣いてるうちにいつのまに寝ていた…
涙を流しながら。


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