素直じゃない契約
第13章 理生の決意
車で家へ着くと門の前に恭介が立っていた。
「恭介…??」
ドアを開け恭介はあたしの腕をひく。
「ほら沙羅、おいでな」
「え…」
そのまま恭介の腕へと体がおさまる。
『兄さん…!!沙羅さんを離して』
「今日は沙羅と出掛けられて良かったなぁ?
でも、沙羅は俺の奥さんやから。
手を引きーや」
恭介は理生くんにそう言うと
あたしの肩を抱いて家へと向かった。
「あ、あと」
恭介は顔だけ理生くんの方へ向けた。
「気安く沙羅の名前呼ぶなんて…どういう心境の変化か知らんが、いつでも受けてたつで」
恭介の目は背筋が凍るくらい恐ろしい目をしていて、
これから何が起きるのか怖く思った。