素直じゃない契約
第14章 心の変化
『はい』
『沙羅さんを門まで送ってあげて。
沙羅さんまたね』
「え、あ…」
諒さんがドアを開けたので部屋から出ざるを得なかった。
「…じゃあ、またね理生くん」
部屋から出て、門まで諒さんが送ってくれた。
『沙羅さんは選ばれたのですか??』
「え?」
『…昔から理生坊っちゃんと恭介さんを見てきましたが、なるべく公平にはしますが、
いつも私が選ぶのは理生坊っちゃんでした…
なぜだか分かりますか??』
「…いえ」
『恭介さんはいつも何かを企んでいるようなこでした。いつかもっと大変なことをしでかすのでは…と。
対して理生坊っちゃんはいつも明るく皆にも慕われ、次の候補だとも言われました』
諒さんはフッと笑った。
『まさか、あの恭介さんが候補になるとはね…。
現に今、沙羅さんは騙されたのですから。
理生坊っちゃんは本当に沙羅さんのことを想っております。
どうか…真剣に選んでください。どちらが…
あなたの幸せになるか…
もし恭介さんを選ぶならば…遠慮なくさせていただきますね…』
諒さんの目は厳しい目つきになっていた。
門につき諒さんはお辞儀をした。
『それでは、お待ちしておりますね。
よい知らせを…』
「…失礼いたします」
歩いていくと行きの車があった。