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ワタシの履歴

第21章 選択

玄関を開けて、リビングに入ると、龍平は更に切れ出した。

「んで行っちゃダメなんだよ!!」

私は、これに答える。

「…だって、たまには一次会だけで帰ってきてよ」

「今日は皆二次会に行ったんだよ!何で俺だけ行けないんだよ!」

「もううち、余裕なんて無いよ…」

「俺の稼いだ金だろ!何で俺の自由に使えないんだ!」

「…そんな事…」

「自由に使えないなら離婚する!」

「また言う…離婚なんて簡単に言わないでよ…」


これまでも、お金が自由に使えない事で、夫は『離婚する』と切れながら何回か私に言っていた。

最初の頃は私も夫に『せっかく結婚したんだから…』と、説得してきた。

段々私がそれも言えなくなると、そのまま部屋に篭って寝て、次の日に私に謝ってきて、仲直りをしてきた。


でもこの日は、違った…

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