テキストサイズ

ワタシの履歴

第26章 衝撃

拘束衣を脱がされたママは、両手を天井に向けて動かしながら誰かと話している。

タバコを吸う仕草をしたり、缶のお酒を開けて飲んでいる仕草もしていた。


幻聴と幻覚は、更にひどくなった。


「危ない!危ない!やめて!落ちる!」

とベッドの手すりを掴まって言ったママ。

ベッドが滑り台のようになって、落とされると思ったようで叫んだのだ。

「ギャー!」

今度は、何もいないのに、何かからか逃れようとしている。

「来ないで!やめて!来ないでー!」

両手で必死に振り払おうとしている。

…と思ったら、ベッドから落ちてしまった。

左足は骨折の為ベッドに固定されているので、頭を床にぶつけてしまった。

『ゴン!』

とすごい音がしたが、ママは平気そうな顔をして、まだ、見えない何かと戦っている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ