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ワタシの履歴

第33章 支え

そんな時間は、私も楽しかった。

離婚してから…いや、結婚してから、私はここまで女の子扱いされた事は無かった。



佐藤さんが来る数日前のある日、高田くんと出掛けていた帰り道の途中で、彼は何も言わずに車を路肩に寄せて停めた。

寮まであと10分位の場所だ。

旅館がある温泉地は夜でもほんのり灯りがあるのだが、温泉地に行くまでの道のりは、夜は暗い。

この場所も、山が横にある暗い道に、外灯が点々とあるだけの場所だ。

私はちょっと不安になった。

まさか高田くん―?

「ね、ねぇ、どしたの?こんな所に停めて?何かトラブル?」

「あ、ゴメンね、ちょっと暗いから怖いかな?」

「ぁ、まぁ、でも大丈夫だけど。どしたの?」

高田くんの私を気遣う言葉に、彼はそんな事はしないと思った。

「うん。あのさ…ちょっと話があって…聞いてくれる?」

「話?うん。どしたの?」

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