G線上のアリア
第3章 学校
夢叶はいつものように母が用意してくれた弁当を取り出した。朔夜が来るまでは、そのまま弁当箱を持って図書室へと向かっていたのだが―――。
ちらっと見ると、やはり朔夜の周囲には人の群れがあって。これは下手に邪魔をするよりはいいだろうと、夢叶はいつものように図書室へと向かう。
《流石にいつも僕が引っ付いてると…朔夜に迷惑かけそうだし………帰りには精一杯案内しよう!!》
弁当を開けると静香の趣味だろう。たこさんウインナーとかが所狭しと並べてある。
《そしてお母さん…僕の弁当はもう一回り小さくしてください…》
最初の頃こそ、毎日言っていたのだが。母静香は「男の子なんだから、いつ沢山食べるとも分からないでしょう?」と返し。毎日毎日ぎゅうぎゅうにオカズが苦しいと叫んでそうな弁当を広げるのだ。
食べきれない分は、持って帰って食べるか……バイトに持っていって食べるか。その二者択一を求められるのだ。
「あ、いた…どこへ行ったか…探したぞ!?」
肩をぐいっと引っ張られ、思わず口に箸を入れたまま夢叶が振り返る。
「あ……あれ……」
「えっと、どなたでしょうか?」
後ろから肩を叩かれた一瞬こそ慌てたものの、夢叶は相手に身に覚えがなく、思わず素直に聞き返してしまう。
「あ、ごめんごめん…間違えた!後ろから見たら似ているからつい…俺のツレかと思ったんだ」
しかし此処で食事を取っている男子って、他に誰か居ただろうか。思わずきょろきょろと視線だけを彷徨わせた夢叶に、相手の男子学生は両手を合わせて頭を下げた。
ちらっと見ると、やはり朔夜の周囲には人の群れがあって。これは下手に邪魔をするよりはいいだろうと、夢叶はいつものように図書室へと向かう。
《流石にいつも僕が引っ付いてると…朔夜に迷惑かけそうだし………帰りには精一杯案内しよう!!》
弁当を開けると静香の趣味だろう。たこさんウインナーとかが所狭しと並べてある。
《そしてお母さん…僕の弁当はもう一回り小さくしてください…》
最初の頃こそ、毎日言っていたのだが。母静香は「男の子なんだから、いつ沢山食べるとも分からないでしょう?」と返し。毎日毎日ぎゅうぎゅうにオカズが苦しいと叫んでそうな弁当を広げるのだ。
食べきれない分は、持って帰って食べるか……バイトに持っていって食べるか。その二者択一を求められるのだ。
「あ、いた…どこへ行ったか…探したぞ!?」
肩をぐいっと引っ張られ、思わず口に箸を入れたまま夢叶が振り返る。
「あ……あれ……」
「えっと、どなたでしょうか?」
後ろから肩を叩かれた一瞬こそ慌てたものの、夢叶は相手に身に覚えがなく、思わず素直に聞き返してしまう。
「あ、ごめんごめん…間違えた!後ろから見たら似ているからつい…俺のツレかと思ったんだ」
しかし此処で食事を取っている男子って、他に誰か居ただろうか。思わずきょろきょろと視線だけを彷徨わせた夢叶に、相手の男子学生は両手を合わせて頭を下げた。