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G線上のアリア

第7章 信じてほしい

「大好きだよ…朔夜が。これは偽り無い僕の本当の気持ちだから…ね?」
優しく諭す言葉に駆られる不安は、形容しようがないのが怖い。朔夜は口に出すことも出来ずに、今腕の中にある体温を抱きしめた。

「僕はかなり面倒な男だけど、面倒が嫌にならないだけの努力はするから………人前では、ただの従兄弟としていて欲しい」

罪悪感で押し潰されそうな気持ちで呟いた夢叶に、朔夜は顔を上げて震える両手で頬を捉えて唇を寄せた。
緩慢な動きであっても、夢叶は逃げようとはせずに瞳を閉ざして彼を待った。
《僕は本当なら女の子として生まれていたのかも知れない………》
昔からおよそ男の子が好む遊びも、テレビもあまり関心がなかった。

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