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G線上のアリア

第8章 ひとりじゃない

青ざめた表情。
青ざめた声。


肩に触れた朔夜の指が欲求と同じ強さで、食い込んでいるように夢叶には感じた。
抑圧と暴走とを抱えた指先が、夢叶には何故か切なく感じる。言葉で足りないと言われたショックだろうか。それとも怯えが今自分を隠してしまっているのだろうか。返事を待つ朔夜を前に、泣きだしてしまいそうな不安が目の前を覆う。
男同士が具体的にどう肉欲を満たすか、男女のソレとは違うことは夢叶にも分かっている。

「僕を抱けば、…今君が抱えている『孤独』を癒せる………?」

声が震えている。肩を掴んだ朔夜を逃がさないように、その腕を掴んで見上げた。

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