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第1章 彼



予期せぬ事態に
不快感なく


僕は
冷酷な程
淡々と救急車を
要請していた


そして
一度だけ
病室で対面した
彼の親戚である
老夫婦へ
連絡を入れ


彼の名刺に書かれた
彼の職場へ
通告した





蒼白な顔をした
鎮まる彼の遺体を
茫然と眺めたまま




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