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第1章 彼




既に
両親が他界している



手続き等の為
親戚に連絡を取れと
彼を諭したのは



十数年以上
音信不通だった
老夫婦に
渋々 連絡を取った


老夫婦の愚痴も
迷惑がる理由も
解らなくないが


彼の遺体を
確認しようともしない
老夫婦を見て


嫌がる彼の心を
僕は世間体を繕い
踏みにじっていた事を
知り


虚しさしか
なかった


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