
「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
もう一向に起きないこいつは、確実
眠り姫に違いない。
とりあえず、少し距離を置いて、
深呼吸…。
手で胸を押さえながら息をふぅと吐くと、
あることに気づく。
な、なんなんだ…俺。
めちゃくちゃドキドキしてるじゃん…。
自分の掌からは、想像もしないような
ものすごい速さで
鼓動が波を打っていたことに驚いた。
あ、ありえない…。
俺は、バッと口元を押さえる。
この俺に限ってそんなこと…。
少しの間、男の事情というのと
戦っていた。
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………。
あれから何分後か経って、
自分を見失いかけてた時だった。
「ん~…ふぁあ~…」
可愛く欠伸をして、『よく寝た』と言いながら、
さっきまで気持ちよく眠っていた姫が目を覚ました。
まだ隣にいる俺のことに気づいていない。
寝惚けている?
姫は、半分しか目を開けきれなくって
寝足りないという感じが伝わってくる。
また、このまま寝てしまえば
話すことができない。
そんなの嫌だな。
よしっ!
もうこうなったら!
俺は、行動に出る。
