
「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
「なぁ…大悟。じゃあ、逃げる側には、その鬼みたいな特権ねぇの?」
疑問を言う。
もし、なかったら
差別だ。
「もちろんある。けど、それは最後まで誰にも捕まれずに生き残ること。そしたら、自分が好きな願いを何でも叶えてくれるらしい」
「な、何でも…?」
俺の目がさっきと別人みたいに
光る。
「あぁ、そうだよ」
「よ、よ、よしゃあー!!一年分のイチゴケーキ!!!!」
俺は、手でガッツポーズをキメながら
大声で叫ぶ。
その特権があるなら
最初っから言えよな!
もう、これだから
大悟は、勿体ぶって…!
ポンッー
すると、大悟が
喜んでいる俺の肩に手を置いた。
「岬。残念だがお前は、最後まで残れない。何せ、俺に捕まれるからな」
口の端を上げて妖しげに笑う。
ヒィ…っ!!
ふ、不吉なこと言うなっ!
呪いの言葉みてぇだ。
「ふ、ふんっ。いやだね!俺は、イチゴケーキが好きなんだ!」
絶対、捕まれるわけには、
いかない。
「あれ?前に言ったよね…?俺から離れるなって。だから大人しく俺に捕まりなさい」
「はぁっ!?それとこれとは別の話だろっ!?」
卑怯すぎる脅しにも程がある。
「岬ちゃん!俺とイチゴケーキ、どっちが好きなの!?」
「はっ?イチゴケーキに決まってるだろ、アホ」
急に割り込んできた、金太郎に
正直に答えたら
教室の隅でキノコを栽培し始めた。
だって、イチゴケーキに
勝てる奴なんて考えてみれば
いないことだ。←
