
「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
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………。
何がどうなってこうなった?
自分が今、どういう立場にいるか
わからない。
だって、俺。
誰かの肩に思いっきり
担がれているからだっ!!
え?
もう一度言おう…。
「何がどうなってこうなった…?」
あんぐり口を開けてしまう俺をよそに
「あ、起きた…?でも今の状況に気づいていないみたいだね」
と、クスリと笑いながら、
俺を地面へとゆっくり降ろした。
そして、パチンとその人と
目が合う。
えっ。
「つ、翼先輩…?」
そこにいたのは、昨日
図書館で知り合った先輩だった。
「覚えててくれたんだ!すっごい嬉しい♪」
本当にものすごく嬉しそうに
微笑んでいる。
名前覚えてただけで
そんな喜ぶ?
失礼だけど、
先輩…バカなのかな。
つうか、昨日のことだし、
そんなすぐに忘れるわけねぇだろ。
なんて、言えないから
話を変えることにした。
「あの、それより何で先輩が俺を…?」
担いでた理由が知りたい。
「じゃあ、俺たちって今まで何してた?」
「え?そりゃあ鬼ごっこ…」
「うん。でね、俺は鬼なんだ」
意味わかった?と言いながら
ニコッと微笑む。
「はっ?それはどういう…」
ちょっと待って。
理解したくない。
「だから、姫は、俺に捕まれちゃったんだよー♪もう天然?かわいっ」
…川井?誰だよ、それ。
って。
その前に今、変なこと言わなかった?
