
「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
「先輩…誰が誰に?」
「姫が俺に♪」
「姫って…誰?」
「岬ちゃんに決まってるじゃん!!」
決まってねぇよ。
「俺は、勇者なんで多分、人違い…」
「勇者?もうそうやって強がるところ、たまんないね。結構キタ」
「はっ…?」
先輩が言っていることは、
さっぱり意味がわからない。
「よしっ!まぁ、そういうことだから体育館に行こっ?」
そう言って、俺に
手を差し伸べる。
何で俺が体育館なんかに
行かないといけない。
そのまま、じっとしていると
「俺が岬ちゃんを捕まえたから、行こっ?」
先輩は、再びそう言って、
次は、俺の腕を逃がさないように掴んだ。
「ど、どうやって…?」
「図書館で小さな隙間に隠れているところを見つけ、声をかけたけど返事がなかったから近づいて、気持ち良さそうに寝ているのを、そのまま連れ去ったわけ♪あんな無防備にいるから俺に捕まえて欲しいのかな?って思っちゃった」
「はぁぁぁー!?」
長々と説明してくれたが
思っちゃったじゃねーよ。
それは、ただの勘違いだ。
はぁ…。嘘だろ、おい。
俺、また寝てたのかよ!?
寝るのは、俺の悪い癖だ。
絶対、治らないと思う。
先輩の話からしたら、
つまり、俺って捕まったんだ…。
やっと、ここで自覚する。
