優しいキスをして
第2章 深まる傷。そして暴走
「は?なに言ってんですか?」
伊藤さん、なに言ってんの?
あたしは目が点……。
「だってすごく楽しげに話してたからさあ」
伊藤さんは陽気と言うよりは意味深な笑顔を浮かべている。
北澤さんはただ笑ってるだけだ。
笑って流しているのか?
北澤さんとそんなこと、あるわけない。
また冗談を言ってると思った。あたしも笑ってこの場は流すことにした。
「そんなことないですよー!どうせけなし合いですからー」
「けなすのはそっちだけだろ」
北澤さんは心外だとばかりに言う。
あたしは肯定しながらも笑い飛ばした。
「なんだー残ねーん……。でも、二人って意外とお似合いだと思うんだけどなあ」
伊藤さんはなんだか思惑がはずれたように意気消沈した。
「ないない!」
あたしは真顔で顔の前で手を振る。
「わかんないよ?じゃあ須藤ちゃん、またねー♪」
「お疲れさまでーす!」
伊藤さんは陽気な笑顔で帰っていった。
「伊藤さん変わんないなー。超元気」
あの笑顔にやっぱり癒される。
「ホントだね」
伊藤さんが帰って静かになると、また疲れが込み上げてきた。
しかし、まだ仕事は残っている。
「早く終わらせよー。あたし9時にはここ出たいんだ」
あたしは来店ファイルを書くため座りこんだ。
「今日も約束あるの?」
「うん、そう」
北澤さんも座った。珍しくファイル記入をし出した。
「へー、噂はホントなんだね」
「…………そうね、否定はしませんよ?」
あたしは仕事を終わらせることに集中した。
「ふーん…………」
北澤さんはファイルをバタンと閉じた。
「なんかあったの?」
「…………そりゃ、まー色々とね」
「いつだかの店長会議の日、帰りに、泣いてたろ?」
北澤さんの視線を感じた。
やっぱりあの時見られてたんだ……。
あたしは平静を装った。
「…………っ。何かの、見間違えじゃない?」
「なんか、あれから雰囲気変わった」
痛いぐらいの目線。
やめて。その話はやめてよっ。
あたしは平静を装うのに精一杯だ。
「そう?なんも変わってないよ」
「なんか、無理してない?」
だめっ。それ以上言わないで!
それ以上言われたら、あたし、何言うか…………っ。
「……北澤さん、しつこいよ。早く帰ろ」
「……ごめん」
伊藤さん、なに言ってんの?
あたしは目が点……。
「だってすごく楽しげに話してたからさあ」
伊藤さんは陽気と言うよりは意味深な笑顔を浮かべている。
北澤さんはただ笑ってるだけだ。
笑って流しているのか?
北澤さんとそんなこと、あるわけない。
また冗談を言ってると思った。あたしも笑ってこの場は流すことにした。
「そんなことないですよー!どうせけなし合いですからー」
「けなすのはそっちだけだろ」
北澤さんは心外だとばかりに言う。
あたしは肯定しながらも笑い飛ばした。
「なんだー残ねーん……。でも、二人って意外とお似合いだと思うんだけどなあ」
伊藤さんはなんだか思惑がはずれたように意気消沈した。
「ないない!」
あたしは真顔で顔の前で手を振る。
「わかんないよ?じゃあ須藤ちゃん、またねー♪」
「お疲れさまでーす!」
伊藤さんは陽気な笑顔で帰っていった。
「伊藤さん変わんないなー。超元気」
あの笑顔にやっぱり癒される。
「ホントだね」
伊藤さんが帰って静かになると、また疲れが込み上げてきた。
しかし、まだ仕事は残っている。
「早く終わらせよー。あたし9時にはここ出たいんだ」
あたしは来店ファイルを書くため座りこんだ。
「今日も約束あるの?」
「うん、そう」
北澤さんも座った。珍しくファイル記入をし出した。
「へー、噂はホントなんだね」
「…………そうね、否定はしませんよ?」
あたしは仕事を終わらせることに集中した。
「ふーん…………」
北澤さんはファイルをバタンと閉じた。
「なんかあったの?」
「…………そりゃ、まー色々とね」
「いつだかの店長会議の日、帰りに、泣いてたろ?」
北澤さんの視線を感じた。
やっぱりあの時見られてたんだ……。
あたしは平静を装った。
「…………っ。何かの、見間違えじゃない?」
「なんか、あれから雰囲気変わった」
痛いぐらいの目線。
やめて。その話はやめてよっ。
あたしは平静を装うのに精一杯だ。
「そう?なんも変わってないよ」
「なんか、無理してない?」
だめっ。それ以上言わないで!
それ以上言われたら、あたし、何言うか…………っ。
「……北澤さん、しつこいよ。早く帰ろ」
「……ごめん」