優しいキスをして
第2章 深まる傷。そして暴走
「別に……。あんなの暇潰しだもん」
「暇潰しねぇ……」
北澤さんはふーん、と考えてるような顔をした。あたしは自分の話をされることに居心地が悪くて、話題を代えた。
「北澤さんは?相変わらずなの?」
「そうだねぇ」
北澤さんをちらっとみるとまだ思案顔なので、ちょっとショッキングな言葉を言ってみた。
「……ふーん。そんなに息子ほっとくと、"インポ"になるよ?」
北澤さんは吹き出すと、あたしの方を見て苦笑いしていた。
「……っ。なにそれっ。ひどくない?」
「だって、ねえ?とりあえず女の子としてないでしょ?」
あたしは上目遣いでしたり顔で言う。
北澤さんは少し頬を染めてわざとらしく咳払いをした。
「まあ、したい相手もいないし。したくもないし」
「そうなんだ。まあ、したくないならしょうがないやね。あ、これしまうね?」
あたしは話を自分のペースに持っていくと、白々しくもてきぱきとカルテを片づける。
「うん」
北澤さんはレジ金を仕舞い始めた。
顔を上げると、外から懐かしい人が手を振りながら入り口から入ってきた。
「須藤ちゃーん♪」
「伊藤さん!お久しぶりです」
伊藤さんはあたしが新人時代にいた店の店長だ。
「いやーん♪最近8番店来てないって聞いてたのに、今日はいたのね。久しぶりー♪」
「ご無沙汰してます。今日はどうしたんですか?」
「これこれ!夜間金庫。北澤くんよろしくねぇ」
そう言って北澤さんに金庫のバッグを渡した。
「そっかー。伊藤さんホント久しぶり♪なんか5番店居たとき思い出すー!」
あたしはしばし体調の悪さも忘れて懐かしさに浸った。伊藤さんにはホントにお世話になった。あたしが市村さんに怒られて落ち込んでいると、決まって伊藤さんが慰めてくれた。いつも陽気な笑顔で励ましてくれた。伊藤さんが笑っているとあたしもつい笑ってしまう。
「懐かしいねえ!……ねえー?外から見てて思ったんだけど二人は付き合ってるの?」
珍しく伊藤さんが真顔で言った。
「暇潰しねぇ……」
北澤さんはふーん、と考えてるような顔をした。あたしは自分の話をされることに居心地が悪くて、話題を代えた。
「北澤さんは?相変わらずなの?」
「そうだねぇ」
北澤さんをちらっとみるとまだ思案顔なので、ちょっとショッキングな言葉を言ってみた。
「……ふーん。そんなに息子ほっとくと、"インポ"になるよ?」
北澤さんは吹き出すと、あたしの方を見て苦笑いしていた。
「……っ。なにそれっ。ひどくない?」
「だって、ねえ?とりあえず女の子としてないでしょ?」
あたしは上目遣いでしたり顔で言う。
北澤さんは少し頬を染めてわざとらしく咳払いをした。
「まあ、したい相手もいないし。したくもないし」
「そうなんだ。まあ、したくないならしょうがないやね。あ、これしまうね?」
あたしは話を自分のペースに持っていくと、白々しくもてきぱきとカルテを片づける。
「うん」
北澤さんはレジ金を仕舞い始めた。
顔を上げると、外から懐かしい人が手を振りながら入り口から入ってきた。
「須藤ちゃーん♪」
「伊藤さん!お久しぶりです」
伊藤さんはあたしが新人時代にいた店の店長だ。
「いやーん♪最近8番店来てないって聞いてたのに、今日はいたのね。久しぶりー♪」
「ご無沙汰してます。今日はどうしたんですか?」
「これこれ!夜間金庫。北澤くんよろしくねぇ」
そう言って北澤さんに金庫のバッグを渡した。
「そっかー。伊藤さんホント久しぶり♪なんか5番店居たとき思い出すー!」
あたしはしばし体調の悪さも忘れて懐かしさに浸った。伊藤さんにはホントにお世話になった。あたしが市村さんに怒られて落ち込んでいると、決まって伊藤さんが慰めてくれた。いつも陽気な笑顔で励ましてくれた。伊藤さんが笑っているとあたしもつい笑ってしまう。
「懐かしいねえ!……ねえー?外から見てて思ったんだけど二人は付き合ってるの?」
珍しく伊藤さんが真顔で言った。