優しいキスをして
第3章 3度目のキス……美優の闇
誰か、近くにいる。
少し顔を上げると、目線の先に男物のスニーカーが見えた。
だれ…………?
「……大丈夫か?」
「北、澤、さん…………?」
あたしはまだぼぅーっとしながらも見つめた。北澤さんはあたしの手を取ると自分の肩に回しながら言った。
「駐車場まで送ってあげるから。つかまって」
「……帰ったんじゃ、なかったの?」
「さすがにこんなとこに置いてくわけにもいかないから、戻ってきた。まだ車の中なら安心だ」
北澤さんを見ると、なんだかいつもよりも凛々しくて、頼もしく見えた。
「…………ありがと」
あたしは北澤さんにされるがままに肩を借り、裏手に横づけしていた北澤さんの車に乗った。
駐車場に着くとカギを渡すように言われ、渡すと北澤さんがあたしの車にあたしの荷物を乗せた。
「さっきと同じようにつかまって」
北澤さんに言われてあたし自身もまた肩を借りて車を降りた。砂利の地面を少しずつ歩いて行く。
まだフラフラで、足が自分のものではないかのよう。車のすぐ横まで来て、また強めのめまいと共に砂利で脚がもつれた。
「…………っ」
咄嗟に車のドアにつかまったが力が入らない。
あ、だめだ……。
視界がスローモーションで流れていく。
体は言うことをきかず、前に倒れていく。
…………っ。
目の前に、白いシャツ。腰にゴツゴツした腕の感覚。
「…………しっかりしろって」
頭の後の方で北澤さんの声がする。
ああ…………。北澤さんが、胸でささえてくれたんだ。
あたしはぼーっとしながらも北澤さんから離れた。
「…………う、ん。ごめん…………」
顔を上げた瞬間、唇に柔らかい感触。
一瞬だった。
「…………気を付けろよ」
「……うん」
あたしは北澤さんの力を借りてどうにか運転席に座った。
「ちょっと待ってて」
北澤さんは自分の車の方に行ったと思ったら何かを持ってすぐ戻ってきた。
持ってきたものをあたしに差し出しながら言った。
「これ、よかったら食べなよ。疲れてるだろうから甘いものは食べれるだろ?」
北澤さんが渡してきたものは、メロンパンだった。
少し顔を上げると、目線の先に男物のスニーカーが見えた。
だれ…………?
「……大丈夫か?」
「北、澤、さん…………?」
あたしはまだぼぅーっとしながらも見つめた。北澤さんはあたしの手を取ると自分の肩に回しながら言った。
「駐車場まで送ってあげるから。つかまって」
「……帰ったんじゃ、なかったの?」
「さすがにこんなとこに置いてくわけにもいかないから、戻ってきた。まだ車の中なら安心だ」
北澤さんを見ると、なんだかいつもよりも凛々しくて、頼もしく見えた。
「…………ありがと」
あたしは北澤さんにされるがままに肩を借り、裏手に横づけしていた北澤さんの車に乗った。
駐車場に着くとカギを渡すように言われ、渡すと北澤さんがあたしの車にあたしの荷物を乗せた。
「さっきと同じようにつかまって」
北澤さんに言われてあたし自身もまた肩を借りて車を降りた。砂利の地面を少しずつ歩いて行く。
まだフラフラで、足が自分のものではないかのよう。車のすぐ横まで来て、また強めのめまいと共に砂利で脚がもつれた。
「…………っ」
咄嗟に車のドアにつかまったが力が入らない。
あ、だめだ……。
視界がスローモーションで流れていく。
体は言うことをきかず、前に倒れていく。
…………っ。
目の前に、白いシャツ。腰にゴツゴツした腕の感覚。
「…………しっかりしろって」
頭の後の方で北澤さんの声がする。
ああ…………。北澤さんが、胸でささえてくれたんだ。
あたしはぼーっとしながらも北澤さんから離れた。
「…………う、ん。ごめん…………」
顔を上げた瞬間、唇に柔らかい感触。
一瞬だった。
「…………気を付けろよ」
「……うん」
あたしは北澤さんの力を借りてどうにか運転席に座った。
「ちょっと待ってて」
北澤さんは自分の車の方に行ったと思ったら何かを持ってすぐ戻ってきた。
持ってきたものをあたしに差し出しながら言った。
「これ、よかったら食べなよ。疲れてるだろうから甘いものは食べれるだろ?」
北澤さんが渡してきたものは、メロンパンだった。