優しいキスをして
第3章 3度目のキス……美優の闇
言われてあたしが降りると、マサキが待ち構えていたようにあたしの肩を抱いた。
あたしはびっくりして思わずマサキを見た。
こんなことをされたのは百夜以外にいなかったからだ。そのあとに一応何人かと付き合ってみたりしたが、ノブくんとたまにラブホに行ったときでさえ、こんな女の扱いをされたことがなかった。
マサキは熱っぽい視線で見つめてくる。
「……どうしたの?緊張してるの?」
「……ちょっと」
「……可愛いね。……最初は優しくするからね」
「え?」
「行こう」
どこかのラブホらしく、入るとすぐにパネルがあった。マサキは適当に選ぶとあたしをエレベーターに促した。
エレベーターに乗っている中で、あたしは複雑な気持ちでいた。
あんなことを言われて来てしまったけど、今あたしの隣にいるのは百夜じゃない。百夜によく似ているマサキだ。本物の百夜じゃない。
あたし、これで本当によかったの?
そんなことを思いながらも、なぜかあたしはあの時に戻り始めている。百夜のことを好きで好きで堪らなかったあの時に……。
奥の部屋に着くとマサキはドアを開けた。
「……入って」
マサキに言われ、あたしはゆっくり一歩一歩踏み出した。
……一緒にいるのはマサキなんだ。マサキだ。百夜じゃない。百夜じゃな…………
「俺に、抱かれたかったんでしょ?」
マサキはあたしを後ろから抱き締めた。背の高い彼はあたしの肩に顎を乗せ、囁く。
「美優、愛してる……」
あたしの首筋にマサキの吐息がかかる。
あたしの体は反応した。
この響きに、覚えがある。色気のある掠れた低い声。
全身が震え出し、あたしの目に勝手に涙が溜まっていく。
「お前をずっと、この手で抱きたかった」
その瞬間、あたしの中で必死に堪えていた何かが砕け散った。
「百夜……!百夜ぁ……」
あたしは正面からマサキに抱きついた。
マサキは優しく抱き締め返してくれる。
「百夜……。抱いて。百夜に抱いてほしいの。百夜じゃないとあたし、……だめなの」
あたしの口は勝手に動いていた。
マサキは抱き締める力を緩めた。
あたしの顎を上向かせ、あたしの目を見つめ、言った。
「俺もだよ、美優。お前が欲しい……」
「……キス、して」
マサキはあたしにキスをし、あたしの体に焔を灯していった。
あたしはびっくりして思わずマサキを見た。
こんなことをされたのは百夜以外にいなかったからだ。そのあとに一応何人かと付き合ってみたりしたが、ノブくんとたまにラブホに行ったときでさえ、こんな女の扱いをされたことがなかった。
マサキは熱っぽい視線で見つめてくる。
「……どうしたの?緊張してるの?」
「……ちょっと」
「……可愛いね。……最初は優しくするからね」
「え?」
「行こう」
どこかのラブホらしく、入るとすぐにパネルがあった。マサキは適当に選ぶとあたしをエレベーターに促した。
エレベーターに乗っている中で、あたしは複雑な気持ちでいた。
あんなことを言われて来てしまったけど、今あたしの隣にいるのは百夜じゃない。百夜によく似ているマサキだ。本物の百夜じゃない。
あたし、これで本当によかったの?
そんなことを思いながらも、なぜかあたしはあの時に戻り始めている。百夜のことを好きで好きで堪らなかったあの時に……。
奥の部屋に着くとマサキはドアを開けた。
「……入って」
マサキに言われ、あたしはゆっくり一歩一歩踏み出した。
……一緒にいるのはマサキなんだ。マサキだ。百夜じゃない。百夜じゃな…………
「俺に、抱かれたかったんでしょ?」
マサキはあたしを後ろから抱き締めた。背の高い彼はあたしの肩に顎を乗せ、囁く。
「美優、愛してる……」
あたしの首筋にマサキの吐息がかかる。
あたしの体は反応した。
この響きに、覚えがある。色気のある掠れた低い声。
全身が震え出し、あたしの目に勝手に涙が溜まっていく。
「お前をずっと、この手で抱きたかった」
その瞬間、あたしの中で必死に堪えていた何かが砕け散った。
「百夜……!百夜ぁ……」
あたしは正面からマサキに抱きついた。
マサキは優しく抱き締め返してくれる。
「百夜……。抱いて。百夜に抱いてほしいの。百夜じゃないとあたし、……だめなの」
あたしの口は勝手に動いていた。
マサキは抱き締める力を緩めた。
あたしの顎を上向かせ、あたしの目を見つめ、言った。
「俺もだよ、美優。お前が欲しい……」
「……キス、して」
マサキはあたしにキスをし、あたしの体に焔を灯していった。