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ひまわりのキミ。

第17章 ひまわりのキミ。14

今はまだ九月。

とはいえ、少しだけ涼しくなってきた。

空も暗くなってきて、向こうの方は紫色になっている。

あちこちで、鈴虫が合奏をしている。


「秋だな~」

「だね~」


そんなほのぼのとした話をしているけど、私の心臓は破裂寸前。

顔も熱い。


「…俺さ、お前と両思いって知ってから高橋と付き合ったけど…。あいつのことは好きじゃなかった」

「えっ…」


てっちゃんのその言葉に唖然とした。

好きじゃなかった…?


「結構前から杉野にお前の事で相談受けてたんだ」

「あ…」


さっきの太陽くんの告白…。


「俺…ずっと好きだったんだよ。お前の事。…それなのに、杉野がお前を好きって言うから、諦めようと思って…」


「…それで彼女作ったんだ」


自然と口が動いてしまっていた。


「そういうこと」


「でも」とてっちゃんは付け足した。


「ずっとお前が頭から離れてくれなかった」


一つ一つの言葉が胸に刻み込まれて行く。


「何回も忘れようとしたけどムリだった」


てっちゃんも…。

私だってそうだったよ。

何回も何回も自分に言い聞かせたのに、全然諦められなかった。


「あっという間に文化祭になってさ、杉野に言われたんだ」


『俺に遠慮せずに頑張って欲しい。俺は俺なりに頑張るから』


「多分、俺がお前を好きなこと、杉野にバレてたんだな…」


なんて言えば良いか分からないけど…。

とにかく、てっちゃんは私をずっと好きでいてくれたんだ…。


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