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ひまわりのキミ。

第2章 ひまわりのキミ。2

家に帰ってすぐにお風呂に入った。

涙は出てこないけど、喪失感が襲いかかってきて頭が働かない。

本当にバカなことをしてしまった。

あんな顔をしたてっちゃんを見たのは初めてかも知れない。

憂いを帯びた目。

そのくらいその子が好きなんだろう。

そんな子に私なんか勝てるはずもない。

そもそも、てっちゃんの隣に居る事すら危ういのに。

やっぱり…諦めるしかない。

…でもそんなすぐに諦められるかな。

笑顔を優しさを、しぐさを知ってしまったから。
`好き'という感情を教えてくれたから。

多分簡単には無理だ。

いつかは諦めないといけない。

でも、今くらいは…いいよね?


――ピロン


ケータイが鳴った。

そういえばさっき、登録メールを杉野くんに送ったんだっけ?


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐14/07/09 19:31
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐from:杉野くん
sub:よろしく
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐本文

日向さん、よろしく。
ってか、夏子って呼ぼうかな。
日向さんって呼びにくいし。
良いよね?
俺のことも太陽で良いから。

END
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

メールを開くとそんな内容だった。

なんか、下の名前で呼ぶの恥かしいな。

まともに呼べるのなんて、てっちゃんくらい。

……やっぱりどうしてもてっちゃんのことを思ってしまう。

私、きっとこの先諦められない気がする。

私は杉野くんに返信をせず、待受けに戻した。

きっと明日学校に行けば目で追ってしまうだろう。


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