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ひまわりのキミ。

第4章 ひまわりのキミ。4

あっという間に帰る時間になり、私は急いで支度を始めた。

隣の席になったのに、あれからずっと話さなかった。

そんな気まずさが残る状況で一緒に帰るってなると、少し不安…。

話って何…?

そう思うと気分が沈んでいくのが自分でも分かった。


きっと、てっちゃんは…。


好きな人の話をするのかも知れない。


そう思いたく無いのに、そう思ってしまうのは、やっぱりまだ好きってことなんだよね…。


「夏子、行くぞ」


そんなことを考えていると、てっちゃんに話しかけられた。


「う、うん…」


私は自分の鞄を持って、てっちゃんと一緒に教室を出た。

なぜか重い足取り。


「はぁ…」


思わずため息を漏らしてしまった。


「どうした?」

「あっ、ううん…。なんとなくだから…」


慌てて否定する自分が惨めに思えてくる。

てっちゃんに失礼だよ。

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