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ひまわりのキミ。

第13章 愛しいきみ。3

―そんなとき、まさかの出来事が起きる。



俺はこの日、夏子と2人で帰った。

天気予報は雨を告げていたにも関わらず、夏子が傘を忘れたからだ。

相合傘には少し抵抗があったけど、夏子となら別に良いかなって思った。

こんなところ、杉野に見られたらヤバいけどな。
でも、親切心でやったって言えばなんとかなりそう。

そうやって、気持ちに終止符を打つと誓いながらも、夏子と一緒にいれる口実を探していた。

なんか矛盾してるけど、結局諦められないんだな。


帰りに俺は、夏子に好きな人がいるか聞いた。

いないって聞いたら、すっごい嬉しかった。

…でも、夏子が泣いてしまった。

理由なんて分からない。

けれど、きっと俺のせいなんだろうな。

傘から抜け出して行った夏子を追いかけた。

でも、見つからなかった。

だから、家に帰ってると信じて、俺はひとまず家に帰った。


それから、LINEで夏子の兄貴、夏輝(ナツキ)先輩に『夏子帰ってますか?』と訪ねた。

返事は…。

『いない』

だった…。


「まだ帰ってないのかよっ……」


俺はあいつを探しに行こうとした。

心配で仕方ないから。

でも。

俺はあいつを泣かせた。
…そんな奴が、あいつを助けて良いのだろうか。

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