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ひまわりのキミ。

第13章 愛しいきみ。3

俺は夏輝先輩に『大切で可愛い奴です』と送り、ベッドに倒れた。

好き…って、なんでこんなに苦しいんだろう。

誰かを好きになるのに、こんな辛い思いをする意味がわかんねぇよ。


「あっ、やべ…」


俺はすぐに夏輝先輩にLINEをした。

『今のはあいつに言わないで下さい』

と…。

結局、言ったのか知らねぇけど。

まあ、『分かってるよ』って言ってくれたから、大丈夫だろ。

俺は時計に目をやった。

16時50分…か。

あいつはもう帰って来たのだろうか。

心配だ。

心配すぎて心臓が破裂しそう。

でも、こんな俺に何か出来る訳でもない。


「はあ…」


俺は深いため息をついた。



――ずっと考えていたせいで、寝坊した。


「やっべ、完璧遅刻だわ…」


時計の針は午前8時15分。

いつものペースだと、30分には学校に着くだろう。

…でも、これで良いと安心している自分がいた。

昨日の今日だから、あいつに会いづらい。

ていうか、これはチャンスかもしれない。

もう俺は、絶対に夏子のことを諦めるんだ。

鞄に学校へ持っていくものを入れていく。


「…あれ?」


ケータイが光っていることに気付いた。

昨日LINE来てたんか。

…杉野だった。


『やべー。もっと好きになった』


もう俺は夏子に近付けない。

杉野の気持ちがそこまで達してしまったなら。


「もう…関わらねぇよ…」


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