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秘密の恋。

第4章 工務、木村氏。

人懐っこいタイプの友香のほうから積極的に話しかけることで、本来が人見知りタイプの木村も比較的早い段階で打ち解けてきた。事務所に戻る時に缶コーヒーを用意して友香に差し入れをしてみたりするようになっていった。

ある日のことである。木村は車の鍵を見せながら友香に話しかけた。
「寺嶋さん、車の免許って持ってます?良かったら仕事で銀行とか行く時に、俺の車使って下さい」
「えぇっ、木村さん困らないんですか…?」
「俺、自分の車を使うのは通勤の時だけで、日中は会社の車で動いてますから」
「…で、でも私…免許はあるけど、あんまり運転が上手くなくて…」
車を貸してくれるというのはありがたい申し出ではあったが、自分の運転にあまり自信のない友香は少し戸惑った。

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