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顧みすれば

第10章 急接近

「常務、何て言ってたんですか?」

「ん?かわいい彼女だねって言われたから
 口説いてるんだって答えただけ」

「え?!」

常務はニヤニヤと笑う

「さて、何食う?
 何でもうまいよ」

「常務のおすすめで」

「酒は飲める?」

「はい。でも、常務はお車ですよね」

「気にしないで」

といって店員を呼び次々とオーダーした


食前酒にシェリーが運ばれてきた
ひとくち飲んで

「おいしい♪」

思わず声に出してしまった

「だろ?ここのは熟成してるから口当たりいいんだ」

次々と運ばれてくる魚介やパエリアに舌鼓を打つ
どれも美味しい♪

思わず頬がゆるむ

「佐々木さんって 幸せそうに食べるなぁ」

「あっ だって美味しいものって幸せな気分になりません?」

「うん、そうだね。
 でも、幸せそうに食べてる佐々木さんを見ている方が幸せだよ」

常務がわたしを見て優しく微笑むから
ドキドキしてしまう。

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