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顧みすれば

第1章 なんで私が?

興醒めだ。


私は後ろ手にそっとドアのロックをはずし
バックミラーで後続車が来ないことを確認する

信号でタクシーが止まった瞬間

力いっぱい最重要を突き飛ばした



「こんなキスで女が喜ぶとでも思ってるの?


 残念な男ね」



素早くドアを開けて
外に飛び出し夢中で走り出した。


幸いまだ店からはそう離れてはいない

こっそり店の裏口から入り
手早く着替えを済ませ
荷物をもって店を後にした

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