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顧みすれば

第12章 砂漠の檻

「よく来てくれたね」

ロイド王子が手を差し出す。

「お招きいただき嬉しく思います」

ロイド王子の手に自分の手をのせ
席まで案内される。

落ち着いたふりをしているが
自分がここにいる状況に
パニックを起こしそうだ。

ロイド王子が自席にすわり
食前酒と前菜が運ばれる。


「昨夜、一目惚れをしてしまってね。
 直哉に君を紹介しろといっても
 なかなか、連れてきてくれないから
 自分から近づいてしまったよ」

ロイド王子がにこやかに話し始める。
物腰の落ち着いた好感の持てる紳士だ。



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