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顧みすれば

第14章 誤算

ーー外祖父 宰相ーー


「宰相!大変です!」

執事が執務室に駆け込んできた。

「バドル王子が...」

「今度は何だ?」

私は書類から顔もあげずに聞いていた。
バドル王子の厄介ごとは日常茶飯事だ。

「日本企業の女性を誘拐しました!」

「なん、だと?!」

あのバカ王子
よりによって日本企業の女性を誘拐するとは

私の宰相としての立場もこれまでか...

この国では王妃として迎えられた后の子供は国が面倒を見るが、ハレムの女が産んだ子供は外祖父が養育することになっている。

つまり、バドル王子の行動の責任は外祖父である私の責任だ。

今までもバドル王子の問題行動は度々指摘されあらゆる手を使ってなんとか納めてきた。

しかし、今回は私の手には負えなそうだ。


「王に面会の許しを取ってくれ。

 すぐに王宮に向かう。

 仕度を」


「かしこまりました」


「それと、バドル王子の居場所と女性の監禁先を突き止めてくれ」



私は重い腰をあげ仕度を済ませ

王宮へと向かった。

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