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顧みすれば

第14章 誤算

「宰相 バドル王子の居場所がわかりました」

執事が声を押さえて報告してきた。

「して、どこにおられた」

「はじめは都外れの倉庫に女を連れ込み

 その後東の邸に監禁しているようです」

「東の邸か。

 あそこには拷問部屋を作らせていたな。

 やはり、女は無傷ではおるまいな」

執事が難しい顔をして頷いた。

「まずはロイド王子を訪ねよう。

 相当ご立腹のようだ。

 ご機嫌伺いをしておかねば」

「バドル王子はよいのですか?」

「他のものを向かわせる。

 今回はさすがにワシの手には負えん

 関わりを持っていると疑われるのもマズイ


 そろそろ、自分の罪は自分で償うことを

 覚えてもらわねばな」


「さようで。

 早速ロイド王子に面会の許しを頂いてて参ります」


執事は足早に王宮を出ていった。

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