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ガジャン

拷問部屋の鉄の扉を不機嫌そうに閉めてバドルが居室へ向かってきた。

執事をはじめ使用人たちはバドルの顔色を伺っていた。


「おい！チャンを呼べ。

　あの女はつまらん。泣きも喚きもしない

　泣き叫ぶ女を切り刻むのが興奮するというのに、あの女はしらけた目で俺を蔑む。

　チャンに好きにしろと伝えろ

　まだ、売り物にはなるだろう」

執事は静かに

「かしこまりました」

と返事をして居室を出た。



「宰相さま。

　バドル王子がチャンを呼びます。

　そちらのご準備はいかがですか？」


「だいぶ整った。

　チャンが東の邸に着くのはいつ頃になる？」

「まだ、連絡はしておりませぬが

　国境付近にいるようですので

　早ければ明日には到着するかと」


「うむ。わかった。

　早速ロイド王子にはそちらに向かってもらう」

「かしこまりました」


電話を切った執事はまた新たに電話をかけ直した。


「チャンさんですか？

　バドル王子が女を差し上げたいと申しておりますが」


「なんと。あの女を？

　早速明日の夕方に引き取りに行こう」


「バドル王子にお伝えいたします」