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顧みすれば

第15章 救出

「バドル王子

 チャンは明日の夕方には女を引き取りに来るそうです」

「明日の夕方?

 随分早いな。俺が殺してしまう前に取りに来るというわけか」

バドルは面白くもなさそうに言った

「おい、あっちの部屋の村の女はどうした」


執事は一瞬言葉に詰まったが

「息 絶えました」

バドルが執事の方を向く

「死んだのか?」

「はい」

「そうか。そういえばもう一人おったな。

 あの女は?」

執事が溜め息をつきながら答える

「バドル王子のご友人たちがどこかへ連れていかれました」

「そうか。連れていったか」

バトルの返事は興味がなさそうに聞こえた。

「いい加減になさいませ

 とても王になる方の所業ではございません」

執事は珍しく声を荒げた

バドル王子はポカンと執事を見た

「何をいう。王とは絶対的権力者

 王のやりたいようにして何が悪い」


執事はもうなにも言わなかった。

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