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顧みすれば

第17章 それぞれの愛

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私は王から呼び出しをうけ

王宮の病院から王の居城へと向かった。



あれから1週間が過ぎても彼女は目覚めていない。

すでに命の危機は脱し傷口はすべて縫合され安定した容態を保っている。

医師の話によれば彼女が目覚めないのは彼女の精神からきているものだという。
つまり彼女に目覚めたい思い、意思がないから
ということだ。


このまま彼女が目覚めなければどうすればいいのだ。


彼女の会社の石田は彼女の無事を確認して帰国の途に着いた。
彼は随分と彼女が目を覚ますまでこの国を離れないと言い張っていたが、プレゼンが延期になったこともあり上司に促され
彼女の力になれなかったことを悔やみながら帰っていった。


直哉は毎日病室へ通い
彼女の手をとり何時間も彼女の顔を見つめ続けている。
彼もまた彼女が目覚めないことに強く自分を責めていた。


すべては私が蒔いた種。


そろそろ決断すべき時が近づいていると覚悟を決めた。

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