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顧みすれば

第21章 彼女の秘密

本当は卯月も出入り禁止になったんだ。

それだけ女将の怒りは凄まじかった。



無理もない。


私だって、いや、私こそ直哉に対する怒りは煮えたぎらんばかりだったよ。


私はずっと彩月に自分の方があの子達の親のようだと自慢していたからね。

授業参観にもいったし、運動会だって行った。
本当の娘のように見守ってきたんだ。


知らない男がやったのなら
その男をなぶり殺していたと思うよ。


しかし、相手は直哉だった。
親子揃ってなんてザマだと呆れた。


紗英ちゃんはまだ14歳。
もちろん男なんて知らなかったよ。
しかも無理矢理襲ってきたのは
兄のような存在だった直哉だ。

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