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顧みすれば

第22章 夢

「じゃあ、直哉にいさま!」


直哉さんがビックリして私を見る


「何で僕じゃダメなの?」

総一郎さんがちょっと拗ねた顔で私を覗きこむ

「だってぇ、

 総一郎にいさまは山下家の跡取りでしょう?

 私は卯月のおかみになるからぁ

 直哉にいさまにお婿さんに来てもらうの」


一座が笑いに包まれた


「直哉がお婿さんかぁ、それはいいな」


おじさまはおかしそうに笑っている。


直哉さんは顔を真っ赤にして


「俺は婿になんか行かないぞ。

 紗英が俺の嫁になれ!」


とムキになっている。


私は何かおかしなことを言ったのかと

首をかしげた。

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