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顧みすれば

第23章 傷つけあう 心

私の気配に気付いた直哉が顔をあげた。


その表情があまりにも穏やかで幸せに満ちていることに


私は強い憤りを感じた。


私がなにもできずオロオロしている間に
突然やって来た直哉は手術室に飛び込み


あっさり彼女を死の淵から救いだした。


まるでHEROじゃないか



くそっ!

もとはといえば直哉がいけないんじゃないか!


すべては直哉のせいで彼女の人生は大きく変わってしまった。




なのに、なんで貴様が彼女を救う?!

なんで、貴様だけが彼女を救えたんだ?!



私の怒りは頂点に達しようとしていた。

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