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顧みすれば

第23章 傷つけあう 心

「直哉、私に話さねばならないことがあるんじゃないか?」


私の怒りに満ちた声が静かに響き渡る。


「ロイド...」


私の剣幕に少し気圧された直哉は


彼女の手をゆっくりベッドに戻し


立ち上がった。



「私は初めて彼女に会ったとき

 何も見ようとも感じようともしない彼女に

 惹き付けられた。

 彼女を絶望の淵から救いだしたいと

 本気で思った。


 彼女にこんな顔をさせた


 あんな風にさせてしまった奴が



 心底 許せなかった」


私の握った拳がギリギリと音をたてる。



 

「まさか、それが貴様だったとはな」





私は握っていた拳を力いっぱい直哉に叩きつけた。





直哉は床に飛んだ。

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