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顧みすれば

第23章 傷つけあう 心

直哉は口の端しの血を拭い



ゆっくりと立ち上がった。




「ここではまずい。


 外へ出よう」


彼はチラリと彼女の顔を見て


病室の外へ出た。




「直哉、父上からすべて聞いた。


 お前が彼女に近付けなかった


 理由もわかった」



直哉は私の数歩先で立ち止まり


振り向いた。



「彼女が拐われ

 救いだしたあと


 私はお前に散々殴られた。


 仕方ない。守れなかったのは私だ。



 だけど直哉


 貴様に私を殴る資格などあったのか?」


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