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顧みすれば

第25章 愛のかたち

「私はロイドを産み

 母となった」

マリアンヌさんは私を見つめた。


「サエ 女って不思議なの

 それまで王に守ってもらわなければ

 泣いてばかりいた自分が

 母になった途端 とても強くなるの


 私は産まれたばかりのロイドを抱いた時

 何があってもこの子を守る覚悟を決めたわ」


静かにでも熱っぽく語る
マリアンヌさんの目の光は強かった。


「アラブに後ろ楯のなかった私が頼れるのは 王だけだった。

 でもロイドの命を守には

 まず危険な後宮を出ることを考えたわ。

 後宮を出てはロイドは王になる機会は減るかもしれないけど何よりもロイドの命を守ることが優先されたの。

 第一王子となったロイドはアラブの純血ではない。それを良しとしないものも多かったから」


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