テキストサイズ

顧みすれば

第25章 愛のかたち

「王子を連れて後宮を出るのは簡単には許されなかった。

 だから、心を病んでいったふりをしたの。


 そして都から少し離れた邸に移り住んだ


 でもね、それではロイドは忘れられた王子になってしまう。

 王に守り育ててもらうには私が側にいては叶わない


 私はロイドを王に守ってもらうため


 私は王とロイドから離れる決断をした


 心が引き裂かれるほど辛い決断だったわ。


 仕方がなかった。


 ロイドはアラブの王子


 王の寵愛を受けて育つのが一番の後ろ楯


 私は自分の決断に自分で心を蝕んでいった

 そして見かねた王は私を国へ帰してくれた


 私の計画は成功した。


 今思えば、その決断が良かったのかは


 わからない。


 でも、あの時はそれが一番だと思った。

 だから辛い決断をしたの。


 そのことに後悔はしていないわ」
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ