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顧みすれば

第25章 愛のかたち

「どうした?」


ロイド王子が私の顔を覗きこむ


私はロイド王子と繋いだ手をゆっくり離した



「ごめんなさい


 私はロイド王子のそばにはいられません」



ロイド王子は一瞬目を見開き

そして悲しげに笑った。


「そうか」



ロイド王子はそう呟いて


川辺の手摺に腕をかけ


川面に視線を投げた。



川からの冷たい風が二人の間をすり抜ける


ロイド王子が振り向き

私を見つめる


「私は急いでいない。


 君の心が癒えるまで


 ゆっくりと待つつもりだ。



 それでも?」

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