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顧みすれば

第26章 禁断の果実

私たちはその時を惜しむかのように

ゆっくりと歩いた。



時々ロイド王子が繋いだ手を強く握った。




そして、ホテルの入り口へと戻ってきた。



「では、ロイド王子 

 またお会いしましょう」


私は繋いだ手を離そうとした。


その手をロイド王子がギュッとつかむ。


「ひとつだけ 願いを聞いてくれないか?」


「どんな?」



「一度でいい  君を抱きたい」



私は目を見開いた。


そして、微笑んだ。


「それは

 アミ?

 紗英?」



「私が求めた女は


 アミだ」

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