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顧みすれば

第29章 失われた時を

私は卯月をあとにしてマンションへ向かった。


母が掃除の人は入れてくれていたようで

しばらく家を空けていたとは思えないほど

普通だった。



マンションをゆっくりと見渡す。



私が亜美として暮らしていた部屋。



ずっと暮らしてきた部屋なのに


なんだか知らない人の部屋にいる気がした。



これも清算しよう。



ソファーに腰掛け


これからのことをゆっくり考えた。


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