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顧みすれば

第31章 旅立ち

私は直哉さんの手を取った


「直哉さん、

 アラブで私の命を救ってくれて

 ありがとう。

 それだけでもう十分です。



 アラブのプラント建設

 必ず成功させてください。


 
 お元気で。ごきげんよう」



直哉さんは私が握った手をたぐり寄せ


ふわりと抱きしめた。




そしてゆっくり顔を近づけて唇を重ねる。




今度はゆっくり、優しく、愛が伝わるように




優しい、優しいキス





涙が出た。



私がずっとほしかったのは




このキスだった。






ゆっくり唇を離す。


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