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顧みすれば

第32章 もう一度 

シャッターを閉めかけた女性に声をかけ

ギリギリ中に入れてもらった



「ごめんね、マリア。

 もう家に戻るところだったよね」


「いいのよ、紗英」


小太りのマリアが満面の笑みで答える


「ところで紗英、あの色男は恋人?」


「ん?まだ分からない。

 私の大切なお兄様♪」



「もう、兄妹なんかに見えないわよ♪」



「そう?」



「なるほどねぇ。

 どんな男が口説いても

 紗英が落ちないわけだ。


 あの色男に勝てるのは


 この街にはいないわ」



「もう、マリアったら」


女たちは楽しげに話している


「グラシアス♪」


手を振ってマリアと別れた。





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