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顧みすれば

第32章 もう一度 

また手を繋ぎ来た道を戻る


「なあ、紗英」


「ん?」


「お前、あの人に俺のこと


 お兄様♪


 っていっただろ!」


「あ!

 直哉さんスペイン語、


 わかるんだよね?」


「まったく...」


直哉さんが大きくため息をつく。


「聞こえちゃったんだぁ」


「兄妹でキスなんて近親相姦だろ」


「禁断の恋ね♪」


ちょっとイタズラな顔で


直哉さんを覗きこむ。



「ふざけるな。


 ...はあ、お兄様かぁ」



 直哉さんは頭を抱えて座り込んだ

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