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顧みすれば

第37章 世界一美しい島で

階段を下りると街が見える。



白い壁に真っ青なアーチの屋根


白い街のミハスも美しいが



ここはそれよりも色があって



おもちゃ箱のような可愛い街




私が階段に佇み街を眺めていると



直哉さんも隣に並び



私の腰を抱いて引き寄せる。




「気に入った?」



「ええ。とても可愛い街ね」



「あとで散策しようか」



私は直哉さんを見上げ微笑む



「でもその前に...」



「その前に?」



直哉さんはにっこり笑って



そのあとの言葉を飲み込んだ。



「いこうか」


わたしの手をとり


階段を下り始めた。




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