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顧みすれば

第38章 愛の行方

小指を絡ませたまま

抱き締められる



「紗英

 僕と結婚してくれて

 ありがとう。


 これからも迷うかもしれない

 そしたらまた二人で愛を探そう
 


 その愛は決してなくならない



 神様がノーサイドの笛を鳴らすまで


 僕は紗英だけを愛し続けるよ」




「直哉さん

 私も貴方だけを愛しているわ


 迷ったら

 迎えに来て」



お互いを真っ直ぐに見つめる



「もちろん。

 地の果てだって探しにいくよ


 紗英を失うなんて考えられない」



お互いの唇が引き寄せられるように重なる


愛を確かめるように


夢中で互いを貪る。




サントリー二の闇は深く


二人の水音は


波の音に掻き消されていった。


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