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顧みすれば

第39章 真の愛

「真愛の気持ちは?」




直哉さんが優しく訊ねる。



「私もサーデク王子に初めて逢ったとき


 なぜか この愛を受け入れようと


 無条件に思ったの。



 とても不思議な感覚だった


 ずっと約束していたような


 やっと受け止められると思ったの」




「そうか」



直哉さんが頷く



「真愛 


 なぜ私たちは君に


 その名をつけたと思う?



 私と紗英との真実の愛の証だ


 ということは前に伝えたと思う。



 それ以外に



 私に真実の愛を教えてくれた男がいた


 その男の誠意に報いたいと思って


 娘が生まれたら


 必ずこの名前にしようと決めていたんだ」



初めて聞く話だった。


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