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亜美ちゃんが着物姿で

俺の目の前
花鋏で迷いもなく花を
切り
活けて行く―――…


そんな姿を見ながら

彼女との出会いを
ボンヤリと思い出していた。



あれは俺が１９歳　

亜美ちゃんが２０歳の秋



大学のツレの彼女の文化祭に
連れて行かれた時だった。



その彼女の友達が華道部で

花を活けるのを
見に行くこになり

大ホールに行くと

華道部と書道部との
合同発表会
が行われてて

二百人以上の観客の中


ドンドコ大太鼓が鳴り響き

1メートルもあろうかという
大きな筆を抱えて

『絆』の字を書く書道部


その横で

着物を着て
精神統一し　目を瞑り

精神統一するかのように
息を吸う女性がいた。


上品で涼しげな顔立ち

艶のあるショートボブの黒髪が
肌の白さと透明感をより
引き立て

凛とした表情の

正に大和撫子のような
かわいい女性が

迷いもなく大胆に
花を活けて行く・・・